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2015年6月 7日 (日)

【ヤメゴク】第八話 小ネタ、突っ込み、深読み(ねたばれ)

第8話は、しつこいようだが「第八話」である。

(早送り音声でなにやら)
ナレーション「このドラマは、警視庁15階にある、通称『足抜けコール』で活躍する人間たちの、物語である」

(前回の繰り返し)
溜池署「静岡刑務所から離脱願が届いたんですが」
麦秋「その受刑者が所属している暴力団は、どこですか」
溜池署「うちの管轄にある、関東貴船組です」
麦秋「その受刑者の名は?」
溜池署「たちばな、むぎじです」
三ヶ島「たちばな むぎじ?」
佐野「貴船組で橘と言えば…」
石山「『むぎじ』ってどういう字書きます?」
メモ用紙に書いてる麦秋「橘麦蒔」
麦秋「橘麦蒔。橘勲の実の息子です」

水千組
水田「覚醒剤取締法違反で懲役三年。満期まで残り半年だ」
鷲頭「その麦蒔さんの離脱承諾書、橘の親分が承諾したらどうなるんですか」
水田「仮釈放になる可能性が高い」

麦秋「橘麦蒔の離脱承諾書、私が貴船組から取ってきます」
石山「えっ?」
東条「はい?」石山と東条、どっちがどっちのセリフを言ってるんだか、なんだか自信ない。
麦秋「そのように、静岡刑務所にお伝えください」
電話を切ってしまう麦秋。足抜けコールを出て行く。
石山(珍しく怒りモードで)「勝手に切ったよ!どこいくの!」
佐野「貴船組に橘麦蒔様に離脱承諾書をおもらいに行かれたとご推察されるのが妥当でございます」
石山「嫌な予感しかしない。三ヶ島刑事、追いか…」
出て行く三ヶ島
東条「あ、自主的に行った」
佐野「珍しいでございますね」

廊下
三ヶ島が麦秋を追いかけてく行く

【タイトルバック】
第八話

提供コール中
肩に鷹を留まらせる橘勲

橘「関西での懇親会明日だったな」
水田「はい。例年どおり、神戸のいつもの店で」
橘「せがれの離脱願、警察に届いたらしい」
水田「警察が離脱承諾書を持ってきますね」
橘「そいつにサインしてから神戸に行きてえもんだな」
水田「それ…(橘の手から鷹が飛び立つ)偽装離脱なんですよね」
橘「全ては麦蒔の仮釈放を勝ち取るためだ。
水田「そんなことしなくても半年後には満期で出所のはず」
橘「1日でも早く出してやりたい。親なら誰だってそう思うだろ」
水田「たかが半年ですよ」
橘「ムショの1日ってのはな、長くて、つれえもんなんだよ。ムショで半年過ごすのはシャバの10年、いや、15年に匹敵する。たかが半年なんて言えるのは、ムショを知らない奴のセリフだ」(不満げな水田に注目)
水田「ほとぼりがさめたらまた貴船組に?」
橘「そうなったら千一、教育係頼むな」
水田「麦蒔さんはシャブで懲役に行ったはずですが」(「懲役に行く」という言い回し、するんだ)
橘「シャブには二度と手を出させねえ、親の責任としてな」
水田「親、ですか。親父は言ったそうですね」

回想
麦秋「この嫌がらせはすべて、あなたがさせていたのでは?」
橘「俺はそんなことはしねえよ、特に自分の子にはな」

水田「あの女の警官を自分の子と」
橘「麦蒔がまだ7歳のときだ。俺はあの女の母親を囲ってた」
水田「つまり、24年前」しかし、前回出てきたように、麦秋が生まれたのは平成元年で、「あの女の母親」すなわち由美子が永光正と結婚したのが平成3年6月14日、つまり24年前になる、つまり、24年前には橘と由美子の関係は切れているはずなのだ。
鷹が橘の手に戻ってくる。
橘「それから2年間、俺は女房のもとに、麦蒔が待つ家には帰らなかった」

水千組
水田「そのときに生まれたのが、あの黒い服の女の警官だそうだ」
鷲頭「だから橘の親分は、親父のすることを邪魔したんですね。杯の絆より血の絆」

橘の屋敷
麦秋「こちらに、一筆頂戴いたします」離脱承諾書を橘に書くように迫る麦秋
三ヶ島「なんや、また拒否する気なん」
しばし間をおいて
橘「わかりました。承諾いたします」
三ヶ島「おっ」

構成員に硯と筆を持って来させる橘。筆で署名する。
三ヶ島「今日は話分かるやないかい。ええこっちゃ」
麦秋「これを刑務所に渡せば、あなたの息子、橘麦蒔はもうこの組を出入りできなくなります」
橘「承知しています」押印する橘(印章デカッ)
麦秋「でしたら、(橘麦蒔の絶縁状)こちらにも一筆頂戴いたします」
三ヶ島「なんや、お前、ぜ、絶縁状やないかい」
麦秋「これを回せば今後、橘麦蒔が暴力団員に復帰しようとしてもできないはずです。よろしいですね、橘の親父さん」
橘、目配せ
組員の一人が部屋を出て行く

水千組
鷲頭「(電話の子機を持っている)親父、本部にあの、黒い服の女の警官が来てるそうです。橘の親分にまた無理難題を言ってるようで。すぐに来て欲しいとのことですが」
水田「いないと言え」

橘の屋敷
麦秋「簡単な話です。実の息子を二度とヤクザの世界でしのげなくする。ただそれだけのこと。貴船組から足抜けしたところで、橘麦蒔の父親がヤクザの組長という事実に変わりはありません」
三ヶ島「確かに、そりゃ息子さんの仮釈放にも影響するわ」
麦秋「しかしこれを書けば、あなたはヤクザの世界で親子の縁を切ったことになります」
橘「わかりました。書きましょう。だが、すぐにはできません」
麦秋「なぜですか」
橘「わが関東貴船組では絶縁状を回す場合、理事会を開く必要があるんです」
麦秋「では、すぐ開いてください」
橘「明日からしばらく神戸に行く用事がありましてね。戻ってきてからにしてください」

水千組
水田「(写真を見ている)何だこりゃ、シャブでもやってんのか」
鷲頭「ええ、沢田が主催するシャブのパーティーです」
水田「沢田が?ウチはシャブ御法度だ」
鷲頭「だから沢田もずっとシラをきっていたんですが、現場を押さえたらとうとう認めました。客は教育者や有名人の子供ばかりでした。そういうガキどもは、口が固いそうで」
水田「破門だ。いやすぐ理事会を開いて沢田の絶縁状を回す!」
鷲頭「その前に、この写真に一人、面白い娘がいます」

足抜けコール
麦秋「きっと偽装離脱です」
石山「この段階で偽装離脱っていう証拠は」
麦秋「(離脱承諾書を石山室長に見せている麦秋)橘勲は絶縁状を拒否しました。何よりの証拠です」
三ヶ島の右腕をマッサージしている佐野
石山「つまり、証拠はないってことだね。ご苦労様」石山に離脱承諾書を渡さない麦秋。石山「ちょっと?」
三ヶ島「おーい、それ、刑務所に渡さなあかんて」
麦秋「刑罰はきちんと受けてこその刑罰なのです。卑怯な手を使って、早めに切り上げようなんて、絶対許せません」
石山「それを決めるのはバクちゃんじゃないの。ちょっと!」
三ヶ島「やめえ、足抜けコールの人間が足抜け妨害すな」
離脱承諾書を奪おうとする三ヶ島を投げ飛ばす麦秋
佐野「三ヶ島さん!」
離脱承諾書をライターで燃やす麦秋。
石山「うそでしょ!」
佐野「燃えてる燃えてる、恋の炎のようにメラメラと」
石山「何やってんだ」石山、靴で火を踏み消す。
麦秋「大丈夫です。きれいに燃えました」出て行く麦秋
三ヶ島「おい、待てや」
佐野「それより、今後の対策を早急にお決めになった方が…」
東条「ならまず刑務所に事情を話したほうがいいですよ」
石山「何て話すの?部下が書類を燃やしまちゃいました、ごめんなさい、ていうの!
東条「そんなシュールな事情を話してもし刑務所で離脱を担当している弁護士がこんな怖い先生だったらアウトですね」
東条、週刊誌の対談記事を見せる。

法曹界×同期対談
法曹界きってのやり手の両名。
夢の対談が実現。
同期ならではの踏み込んだ
話しが繰り広げられた

法で国家秩序を維持する 法務省矯正局次長 浅沼 法男
法で国家権力の暴走を正す 人権派弁護士 畠山 智晶

三ヶ島「この弁護士テレビでよう見るわこれ」
佐野「国家権力の暴走。まさにバクちゃんさんのためにあるようなお言葉でございます」
石山「こうなったら、せっかく書いてもらった承諾書、紛失したことにして、バクちゃんに責任取ってもらおうかな!」
三ヶ島「あいつのせいにするのか?」
石山「だって、100パーあいつのせいだもん」
三ヶ島「しゃあないのう。もう一回貴船組行ってくるわい」
石山・東条・佐野「えっ?」
三ヶ島「もう一回同じもの書いてもろうてくるわ」
石山「無理でしょ、相手はヤクザの大親分だよ」
三ヶ島「今回は先方も協力的やったからまあ可能性は、大やわ」
佐野「室長、もしそんなことができるのでございましたら?」
石山「そう…そりゃあ、そのほうがいいけど…」
三ヶ島「せやから、誰かついてきてや」
背を向ける三人
三ヶ島「なんやねん」

人事課課長席
麦秋「橘麦蒔の身元引受人が誰か調べてください。貴船組との関係が出れば、偽装離脱を阻止できます」
谷川「それは我々警察の仕事ではない」
麦秋「(無視して)あと出所したら何の仕事をするつもりなのか、その仕事先は貴船組とは関係ないのか、それも調べてください」
谷川「それは刑務所側が調べているはずだよ」
麦秋「きっと調べが甘いんです。だから離脱願が送られてきたりするのです」
谷川「離脱承諾書を提出すれば刑務所がちゃんと調べる。我々が口を出すことではない」
麦秋「谷川課長、あなたは私に約束したはずです」
2年前
麦秋「私をマル暴の刑事にしてください」
谷川「足抜けコールの仕事は不満かね」
麦秋「私には、逮捕したいヤクザがいます」
谷川「非常に頼もしい心がけだがそれは無理だな」
麦秋「私は暴力団組長の娘です。そんな私を警視庁は採用し、少年係で働かせていた。その事実を公表します」
谷川「突然脅すかね」
麦秋「本気である、ただそれだけです」
谷川「我々は、君の母親にだまされて君を採用した、いわば被害者だ」
麦秋「被害者?私はあなたに1年も監禁されました」
谷川「あれは監禁ではない。君が勝手に泊まり込んでいただけだ。第一そんな証拠はなにひとつないでしょう」
麦秋、タブレット端末の画面を見せる「あなたが監視していた私の映像を手に入れました」
谷川「君を刑事推薦すると、君に調査が入るよ。せっかく私が規律を犯してまで君の出生の秘密を人事で止めてるのに、それが警察じゅうに知れ渡っちゃうよ。それでも刑事の仕事ができるかな」
麦秋「…」
谷川「しかし、君がヤクザを憎む本気はよくわかった。よって、君が成果を上げる限り、君の越権行為はもちろん、君の要求もできるだけ飲もう」

谷川「確かに言った。けど、今回ばかりは無理だな。我々警察が法務省管轄の刑務所に介入するには限度がある。第一、私はただの人事課長。そんな力はない」前にもツッコミを入れたが警察内部には組対部長より強い権力を働かせられるんかい!

深夜、足抜けコール
仮眠の準備をする麦秋。段ボールハウスに『PRESENT FOR YOU』と書かれた枕が入っている。
顔を出す三ヶ島「どや、驚いたやろ」
麦秋「これはあなたが?」
三ヶ島「おまえ、ここだけやのうて机でもどこでも寝るやろ」ソファーでも(笑)「そういう奴にはな、そういう枕が一番(枕を投げる麦秋)おおっ、何しとんねんアホ」
麦秋「ただでさえ狭い寝床に嫌がらせ以外の何物でもないありません」
三ヶ島「人の好意になんちゅう言い草や」
麦秋「そんなことより離脱承諾書は新たにもらえましたか?」
三ヶ島「まだや。お前言うとったやろお前。西の暴力団との会合で、幹部連中はみんな神戸や。そっから帰ってきてからや」
麦秋「いつ帰ってくるのですか」
三ヶ島「お前また邪魔する気かい」
麦秋「はい」
三ヶ島「橘麦蒔が実の兄貴やからか。そうなるやろ。お前橘勲の娘やねんから(ズロースを干している麦秋)」
麦秋「あなたはみんなに話さないのですね(ダンボールハウスに入る麦秋)」
三ヶ島「そんなもん、人にベラベラ言いふらすことちゃうやろ」
麦秋「それについては感謝いたします」
三ヶ島「フフフ…その割にはおれ投げ飛ばしたりお前このプレゼント」
麦秋「しかし私は橘勲を父とは認めません。そして、私は偽装離脱は絶対許しません」
三ヶ島「偽装かどうかまだわからんやろが」
麦秋「偽装に決まっています」
三ヶ島「せやったとしてもや、だったらお前、シャバ出てからお前が足抜けさせたったらええやないかい。ほんまの兄貴やねんから」
麦秋「そんな男は兄とも認めません。寝ます。電気を消して出てってください」
三ヶ島「これ(枕)いらんのやったらもって帰んぞ」
枕を掴む麦秋。
三ヶ島「ほんま面倒臭いやっちゃな」出て行く三ヶ島
麦秋、枕を掴んだまま寝る。
24年前
(夏)
橘、子供麦秋の頭を撫でている。「いいか、麦ってのはな人に踏まれて強く大きくなるんだ。本当の優しさも、本当の強さも、踏みつけられてこそ生きるんだ。だからお前の名前は麦秋なんだぞ」
橘、首に下げていた「麦踏神社」のお守りを麦秋の首にかける。
24年前の夏というと、平成3年の夏である。前回明らかになったように、永光正と由美子は平成3年6月14日に入籍している。そして、橘勲は入籍後、何度も永光家を訪れ、復縁を迫っている。そして第六話にもあったように、その度に、舎人交番の岩井田が、橘を追い払っていたのである。そんな状態で、麦秋に簡単にあえるのだろうか?

枕を掴んだまま寝ている麦秋の目に、涙。

神戸
神戸港の空撮。神戸ポートタワーが目立つ。『ウルトラセブン』でウルトラセブンとキングジョーが戦い、キングジョーが沈んだ港である。
会食中の橘、部下の伝言を聞いて、離席する。
構成員B「いま貴船組本部にムショから連絡があったそうです」
橘「ムショから」
構成員「麦蒔さんがお勤めされている静岡刑務所からで、離脱承諾書は書いたかという確認だったそうです」
橘「書いたじゃねえか。お前らも見てただろう」
構成員「はい。留守番のやつもそう答えたんですが、なぜかそれがまだムショには届いていないようで」
水田「警察が止めてるんですよ。あの黒い服の女の警官が」
橘「俺が麦蒔の絶縁状を書くまで止めるつもりか」
水田「そこで親父、いい弁護士がいます」水田、というか水千組、沢田の一件から弁護士に話をつけるまで、動きが早いな。

警視庁
石山「刑務所から催促?」
東条「はい、橘麦蒔の離脱承諾書はまだかって」
石山「うそでしょ。どうしよう三ヶ島くん」
三ヶ島「せやから橘が神戸から帰ってくるの明日や言うてますがな」
畠山「失礼します」
三ヶ島「おおおおっ」立ち上がって頭を蛍光灯にぶつける
佐野「ああっ」(畠山弁護士が来たことよりも三ヶ島が頭をぶつけたのに驚いている模様)
石山「どちら様?あれ?どこかでお会いしたことが…」
畠山「ありません。弁護士の畠山です。(名刺を渡す畠山智晶)」
石山「ああっ!」
三ヶ島「べっぴんさんや」
笑みを浮かべる石山
畠山「橘麦蒔さんの離脱承諾書の件で伺いました」
佐野「あっ、それだったらバクちゃんさんが火をつけて燃やしちゃ…」
三ヶ島、佐野にパンチ
石山「佐野、先生にお茶!」
佐野「はい」
三ヶ島「おー先生、こちらどうぞ」
麦秋が資料室から出てくる。「橘麦蒔さんの弁護士さんですか?」
畠山「ええ、今日から」
麦秋「今日から?離脱承諾書が届かぬことにしびれを切らした貴船組に雇われたわけですか」
三ヶ島「何を言うとんねん?お前」
畠山「はっ?全く違います。私は組長の息子でありながら、刑務所で暴力団離脱指導を受けた橘麦蒔さんの存在をこの対談で知ったんです(法務省矯正局次長との対談記事)。興味を持って調べた結果、その離脱承諾書が警察のここで止まっている事実を知り、一人の弁護士として黙っていられなくなりました」
佐野「さすが人権派弁護士様。はあどうぞどうぞ」(お茶出しする)
麦秋「ヤクザを父に持つ者に仮釈放なんてありえません」
畠山「その発言は人権問題です。必死に生きなおそうとしている人を、警察が妨害するなんて許されません」
麦秋「本当に生きなおそうとしているのか、弁護士なら見極めるべきです」
畠山「お話になりませんね。こちらで止めている離脱承諾書、明日までに静岡刑務所に届けてください。届かなかった場合、正式に問題にします」出て行く畠山
石山「三ヶ島くん、今すぐ神戸行って。旅費は僕が出すから」
三ヶ島「了解や、おい…お前(麦秋)、一緒に行くか?」
石山「やめて!また燃やしちゃう。必要なら剣君行って!」
東条「はーいー、新幹線、新幹線」
三ヶ島「ほな、行ってくるわ」
石山「あっ、自由席で行ってね、自由席で。あっ、やっぱ、車で」
佐野「バクちゃんさん、こうなったらもうおとなしくするしか…」
麦秋「おとなしくしている私ではありません」
佐野「だと思った」
麦秋「我々は、あの弁護士と貴船組の関係を調べます」
佐野「その、『我々』には、私も入っているのでございますね?(お茶を飲み干し)あったかい」

神戸
再び神戸港の空撮。先ほどとは若干アングルが違う。
構成員C「もう一枚書け?」
東条「はい、もう一枚、お願いしまーす」
三ヶ島「恥ずかしい話、こっちの手違いで、せっかく書いてもろた離脱承諾書を無くしてしまいまして」
構成員「な、何だとこの野郎!」
水田「おいっ、なくした?」
東条「すいません。ですから、もう一枚お願いします」
水田「黒い服の女の警官」
橘「無くしたのはその女性なんですね」
首をかしげる三ヶ島
橘「わかりました、書きましょう」
三ヶ島「ありがとうございます。さすが組長や、話がわかる」
東条「あっ、ハンコとかどうしよう」
三ヶ島「ああ、せや、抜かった」
橘「ご心配なく。こちらの会合用にもってきております」
三ヶ島「さすが組長。関東一の親分さんや。先見の明がある」

ホテルのロビー
三ヶ島が電話している「安心せえ、しっかりもろたで、承諾書」
石山「でかしたよ。そのまま刑務所寄ってきて」
三ヶ島「了解や、どうせ静岡、帰り道や」結局新幹線を使ったんだろうか。車を使ったんだろうか。

法務省
浅沼矯正局次長「離脱指導を受けている受刑者?」
佐野「ええ、そんなお話をなさったのでございますよね?このご対談で、畠山先生様に」
浅沼「まさか。第一そんな個別の離脱指導まで私が知るはずないじゃないか」

麦秋「だとすると、畠山弁護士は嘘をついたことになります。やはり、貴船組に依頼されて今回の件を…」
水原が入ってくる「調べたぞ、畠山って弁護士。」
麦秋「貴船組とのつながりは」
水原「まったくねえよ。この女はヤクザを弁護したことすらねえ。少年事件とか国選弁護とかそんなんばっかりだ」例の対談では、畠山弁護士は会計法とか経済系の話題をしていたのだけどね…
佐野「聞きしにまさる????でございますね」
足抜けコールに電話
麦秋「はい、足抜けコール。私が永光麦秋ですが」
鷲頭「畠山智晶という弁護士をご存知ですか?」
麦秋「はい、畠山弁護士なら知っています」
鷲頭「その弁護士は関東貴船組に脅されている。その証拠を足抜けコールのアドレスに送る」
鷲頭、足抜けコールのホームページからメールを送る。
「足抜けコールメール」に届く。
「無題」というタイトルのメール

足抜けコール
タブレット端末の画面を、佐野がフリックしている「スッ、スッ…」
何枚かの写真が映る。
石山「なにこれ?」
佐野「これが現場にあるということは?」
三ヶ島「シャブのパーティー」
麦秋「正解」
三ヶ島「やっ!」
佐野「続いて第2問。お次のお写真をご覧ください。スッ、サッ(拡大すると、ゴスロリ風の少女)」クイズ番組かよ。
東条「誰ですか、これ」
佐野「おヒントでございます。(週刊誌の対談記事を見せる)
三ヶ島「まさか畠山弁護士の娘?」
麦秋「正解」
三ヶ島「やっ!」
三ヶ島「あっ、これで脅されていたから彼女は弁護を引き受けた?」
麦秋「正解」
三ヶ島「やっ!」
出て行く麦秋
三ヶ島「全問正解…」
三ヶ島に目配せする石山
三ヶ島「おっ、おい!」
麦秋を追いかける

三ヶ島「待て待て待てどこ行く気や」
麦秋「写真を畠山弁護士に突きつけ自白させます」
三ヶ島「弁護士に自白ってお…」
麦秋「そうすれば、橘麦蒔の偽装離脱を止められるかもしれません」
三ヶ島「その前にその写真いったいどっから送られてきたんや」
麦秋「今、水原刑事に調べさせています」
三ヶ島「出所のわからん写真や。なんかの罠かもしれんがな」
麦秋「ええ、罠かもしれませんね」
三ヶ島「せやったらな」
麦秋「しかし、今は一刻を争います。こうしてる間にも、橘麦蒔の仮釈放が決まってしまうかも…」
三ヶ島「今お前は自分でじぶんがわからなくなっとんのや」
麦秋「私はいつも冷静です」
三ヶ島「嘘や。親父への憎しみでがんじがらめになって冷静な判断がでけへんようになってる」
麦秋「あんな男を父親とは認めないと言ったはずです」
三ヶ島「そのお前勇み足で、傷ついた人かておったやろ」
(小牧に刺される岩井田の回想)
三ヶ島「それでも行くんか」
麦秋「もちろんです」
回想(6話)
岩井田「麦秋ちゃんをよろしく頼みます」

テレビ局「TTB」
街頭ビジョンに映る畠山弁護士「私のような弁護士は、こうしたお金にならない案件ばかりを扱っています。だからこそこういうメディアに出演し、皆様のご協力を得ながら、弁護活動をしているんです」
スタジオの外で待っている麦秋
キャスター「畠山さんは、これからも規模の大小を問わず…」
(収録終了)
スタッフ「お疲れ様でした」内トラ(身内エキストラ)
畠山「お疲れ様でした」
麦秋に気づく畠山

TV局屋上
シャブのパーティに写ってる娘の写真を見せる麦秋「娘さんですね?」
畠山「ええ、それが?」
三ヶ島「先生の娘さん、シャブやってるかもしれませんで」
畠山「この写真では証拠になりませんね」
麦秋「警察がこの現場を調べれば証拠はすぐに出ます」
畠山「現場?場所は分かってるんですか?話にならないわ。ちゃんと証拠になってから来てください」
三ヶ島「貴船組におどされてるんやろ?娘さんがシャブやってるせいで。せやから偽装離脱引き受けなあかんかった。ちゃいますか?」
畠山「何の話かわかりません。失礼します」
麦秋「畠山先生、私はあなたのバカな娘がどうなろうと知ったことじゃない。覚せい剤を摘発しようとも思ってない。あなたとあなたの娘がこのことで貴船組に脅され、橘麦蒔の偽装離脱に関わっている。その偽装離脱を阻止したいだけなんです」
畠山「証拠はあるの。私は弁護士です。証拠にならない話には付き合えません」
麦秋「でしたら直接娘さんに聞くまでです」
畠山「どうぞ。できるものなら」
麦秋「ほう、まるで娘さんとは直接会えない。そんな口ぶりですね。もしかして、娘さんは監禁されている。娘さんが監禁されているのはここ、そうなんですね」
三ヶ島「せやったら警察が助け出したるわ。安心してくれ」
麦秋「そのとおりです。ここはどこですか?」
畠山「知りません」
三ヶ島「えっ?娘に万一のことあったらどうすんねん」
畠山「仮に娘が薬物をやってるとして」
三ヶ島「どう見てもやってるやろ」
畠山「仮に娘が監禁されているとしてそれで、警察に助けられたらどうなるかしら?」
三ヶ島「そら覚醒剤取締法違反で逮捕されるやろうけど」
畠山「大スキャンダルね」
麦秋「未成年で初犯なら、保護観察処分で済むとおもいます」
畠山「だとしても、私の弁護士生命は終わりね」
三ヶ島「何を言うとんのや」
麦秋「信じられませんね。娘の身の安全より弁護士でいる自分の保身を選ぶんですか」
畠山「言ったでしょう。全ては仮定の話。証拠はない。余計なことはしないで」
三ヶ島「何ちゅう母親や」

麦秋「娘さんを監禁しているのはきっと貴船組です」
三ヶ島「せやろな。それで弁護するように脅しとんねんから」
麦秋「その事実を、監禁している連中に証言させます」
三ヶ島「監禁してる場所がわからんと」
麦秋の携帯に着信、足抜けコールから
麦秋「ナイスタイミングです」
東条「あっ、バクちゃん、この写真なんだけど…」
石山「バクちゃんと何話してんの?」
東条「撮影されたのは台場8丁目、ミスズ倉庫っていう建物だよ」
石山「何頼まれたの?僕、何の相談も受けてないよ。大切なことだからいっとくけど、僕、室長なんだよ
麦秋「情報感謝いたします」
三ヶ島「ミスズ倉庫そこお前踏み込むんやな。よっしゃ」
携帯電話を取り出す三ヶ島の腕を取る麦秋「何をする気ですか?」
三ヶ島「弁護士の娘助けに行くんやろ。せやったらマル暴のデカできるだけ集めたるわい」
麦秋「最近急に私に協力的ですね」
三ヶ島「デカとして正しいことやってるだけや」
三ヶ島の背後に「7月放送スペシャルドラマ 3夜連続放送『灰汁人(アクニン)』」のポスター。ポスター自体は映画『悪人』ではなく、『凶悪』のポスターのパクリ。ちなみに、『凶悪』は山田孝之、ピエール瀧、リリー・フランキーだが、「チャッスー森」とか「ツジーフランキー」しか判読できなかった。
三ヶ島「せやからお前も応援のデカが来るまで少しはおとなしゅう」
無視して去っていく麦秋
三ヶ島「言うてるそばからなんやねんお前は」
三ヶ島の携帯に着信
三ヶ島「おうもしもし、お母さん?」

ミスズ倉庫
踏み込む麦秋
三ヶ島「待てって言ってるのに聞いてへんなお前。おい、お前」
沢田に制止される麦秋。沢田「なんだ、お前」
沢田を投げ飛ばし、さらに蹴りを入れる麦秋
三ヶ島「せやから待てって。もうすぐ応援のデカ来るさかいに。なんやねんこれもう。おおおっ」
シャブ漬けになっている客たち。三ヶ島「大丈夫か。しっかりせい、おい」
麦秋、あたりを伺って、あるドアに気づき、足で蹴り倒す。「キラーン⭐️」

監禁部屋
男「なんだてめえ」
ベッドに腕をくくりつけられている娘
麦秋「畠山亜美さんですね」
麦秋の腕をつかむ男
麦秋「監禁容疑と覚醒剤取締法違反で逮捕いたします」
ナイフで反撃する男と格闘になる麦秋。
入ってくる三ヶ島、出て行く麦秋たち。
三ヶ島「おい、大丈夫かい、ほらほらしっかりせえ」
亜美を介抱する三ヶ島
三ヶ島「逃げるで」水をラッパ飲みする亜美に「あーもうこれはええやん、逃げるで(ベッドにくくりつけられているのに気付き)なんや、これ。じっとしてじっとして」とライターで焼き切る。
三ヶ島「行こか、お母さんも心配しとるわい」
亜美「ヘヘヘ、うわぁーっ!(暴れる亜美)母さんが裏切ったの?亜美を警察に突き出したの?お前を警察に突き出したりしないって言ったのに、うわーっ」
三ヶ島「亜美ちゃん、落ち着いて」
亜美「母さんなんて大嫌い、うわーっ」
麦秋が亜美をひと突きして、気絶させる。
麦秋「母さんなんて嫌い、その点は私と気が合いそうですね。しかし、あなたも逮捕いたします」
水原「はいフリーズ。組対四課の水原です。バク、てめえ、令状も持たずに勝手すんじゃねえよ」
麦秋「そんなことより、全員逮捕してください」

倉庫の外
水原「このシャブパーティーを主催してたのは関東貴船組のセカンド、水千組の沢田って男だい」
麦秋「では、使用者責任で組長も逮捕できますね?」
水原「いや、沢田はすでに破門になってるらしい」
麦秋「それならそれで結構。破門になってるなら、貴船組に義理はないはず。取調べでは包み隠さず話すでしょう」
パトカーに乗せられる亜美
畠山「亜美!亜美!」
三ヶ島「ダメダメ、今何言うても分からへん」
麦秋「逮捕されたヤクザ達はきっと、あなたが娘を拉致監禁され、貴船組に脅され、橘麦蒔の偽装離脱に協力していたことを白状するでしょう。そうなれば、今回の偽装離脱は失敗です。同時にあなたは実の娘がシャブ中毒だというスキャンダルの渦にさらされる。あなたが娘を売ってでも守ろうとした弁護士人生はこれで終わりです」
崩れ落ちる畠山
三ヶ島「なあ、たとえ弁護士じゃなくなっても、(あんたは)母親や。そやろ。そっから親子やり直したらええ、いや、やり直さなアカンわい」

水千組
鷲頭「沢田のやつ、逮捕されたそうです。沢田があの弁護士と、貴船組との関係をゲロすれば麦蒔さんの仮釈放はないでしょう」
水田「…」

橘「…」

TVの音声。キャスター「最近では、危険ドラッグ、脱法ハーブが世間を賑わせてきましたが、今回は、覚せい剤でした。あの畠山弁護士の娘さんが道を踏み外すとは驚きですね」

畠山弁護士事務所の前
畠山が出てくる。畠山弁護士、インタビュアに囲まれる
畠山「すいません、仕事に行かなくては」
インタビュアの質問には答えず「依頼人が待ってますから、その件は後日改めて」
タクシーが来る
畠山「近々、記者会見を開きますから」タクシーを出す畠山

タクシーが止まると、橘勲が乗り込んでくる。
畠山「あなた」
橘「ご存知のようですね、この顔」
畠山「降ります、降ります」
タクシー運転手「開きませんよ」

足抜けコール
水原「例のシャブパーティーのヤクザ、貴船組との関係を否認してるんすよ。全く関係ねえの一点張りで」

沢田「ホントですよ。貴船組とウチら全く関係ありません」
麦秋「あなたはすでに、貴船組を破門になっているはず。なぜかばいだてをするんです」
沢田「だって、ホントに関係ないんすもん」

水原「…って具合に、全員が全員完全否認です。おかしいと思いません?これ」
東条「だったら本当に関係ないんじゃないですか?」
石山「そうだね、最近はヤクザの絡んでないシャブパーティーも多いしね」
水原「確かにねえ」

沢田「別に貴船組に指示されて監禁したわけじゃねえ」
麦秋「じゃ、なぜ?」
沢田「シャブの支払いが遅れたから脅したんだよ」

三ヶ島「じゃあ、畠山弁護士と貴船組の関係は?」
水原「証明できねえな」

麦秋「あなたは知らないでしょうが、あなた方のシャブパーティーの写真、私たちに密告してきたのは貴船組です。なぜそこまで、貴船組とは無関係であることを強調するのですか」
橘「橘勲と申しますが」
沢田「はい、沢田です」

麦秋「橘勲に入れ知恵されましたね」
沢田「さあねえ」

水原、「あっ、このあとあの弁護士が、なにか会見開くみたいです」

テレビ
畠山「先日、娘の薬物不祥事で、暴力団に脅され、その暴力団組長の実子である受刑者の偽装離脱に加担した、そんな疑惑で弁護士会に事情聴取を受けました」
リポーター「では、それは事実なんですね」
畠山「それについてはきちんと否定いたしました。娘の不祥事とある受刑者の暴力団の離脱は全く無関係です。その受刑者の暴力団離脱については、彼の更生を助けたいと思った私が、自主的にしたことです」
リポーター「関東貴船組は無関係だってことですか」
畠山「はい、全く無関係です」
リポーター「あっ、では、では、貴船組とは一切接触してないんですね」
畠山「いいえ、一度だけ会っています。その暴力団の組長に。そのせいであらぬ誤解を受けたのかもしれません」
リポーター「何のために組長に会ったんですか」
畠山「それは、こちらを承諾してもらうためです。(養子縁組届を出す畠山)その受刑者とある一般の方との養子縁組です。たとえ本人が心から更生し、暴力団を離脱しても、組長の実子である以上、仮釈放は認められない、そのようなアドバイスをある警察の方からいただきました。私がそれを告げると、その組長は、実の息子がカタギの一般の方の養子になることを承諾しました。たとえ暴力団でも親が子を思う気持ちは我々と変わらない。私も人の親として、その気持ちにうたれました。私は弁護士である前に母親だったのです。それを忘れずに、これから、私は娘を支えていくつもりです」

三ヶ島「いうてることむちゃくちゃや」←三ヶ島、あんたが言ったことじゃないの?

畠山「私はそこから、親子をやり直したいと思っております(立ち上がり頭をさげる畠山)」

終始鋭い目つきで会見を見ている麦秋

水千組
水田「さすが橘の親父だ」
鷲頭「えっ?ではこれは橘の親分が?」
水田「間違いねえ。俺が仕掛けた罠を利用して俺の遥か上を行きやがった。なあ、鷲頭、俺が橘の親父を捨てても俺についてきてくれるか」
鷲頭「えっ?………もちろんです。親父」

TV局
エレベーターから出てくる麦秋
待っている三ヶ島「おぅ」
麦秋「畠山弁護士は?」
通路を歩いてくる畠山

TV局屋上
三ヶ島「圧倒的な不利な状況から一発逆転。大したもんや」
麦秋「非常に狡猾な会見でした。橘勲の指示ですか」
畠山「それは警察の任意の取調べ?なら拒否します」
麦秋「橘勲に何を吹き込まれたんです?」
畠山「さあ」

橘「畠山先生、あんたはもうすっかり泥にまみれた。あんたはもう人権派弁護士なんかじゃない。だが娘さんの弁護士にはなれるはずだ」
畠山「いいえ、無理です」
橘「なぜ?。あんた母親だろう」
畠山「私はあなた方が偽装離脱をすることを知っていてそれに加担した。きっと弁護士法違反で弁護士資格を剥奪されるでしょう」
橘「それならなんとか避けられるかもしれない」
畠山「えっ」
橘「娘さんを監禁した連中は逮捕されたが、貴船組の指示でやったとは言わないはずだ」
畠山「どうして?すでに破門されてるならあなたに義理はないはず」
橘「破門はしたが絶縁状は回さない約束をした。破門だけならうちの組ではダメだが、いつかまたヤクザで飯が食えるかもしれん」
畠山「では私があなた方貴船組に脅されたことは…」
橘「警察は絶対に証明できない。あとは先生、(養子縁組届を出す橘)あんたの覚悟しだいだ」

橘麦蒔
昭和60年7月19日生まれ
住所 東京都港区赤坂5丁目3番26号
父 橘 勲 母 橘 加奈子 続き柄 長男
入籍する戸籍
東京都北区王子8丁目31
平島 建一

畠山「養子縁組。橘麦蒔さん」
橘「せがれを本当に仮釈放させたいなら親子をやめろ、ある警官にそう言われた、黒い服の小柄な女だ。俺は麦蒔と親子をやめる。俺はな、それほどせがれが大事だ。麦蒔のためだったら、こんな紙切れ一枚の親子なんぞいつだってやめてやる。さあ、先生。つぎはあんただ。あんたの覚悟見せてくれ。あんた娘さんのために、どこまで悪人になれる?」

三ヶ島「ヤクザの片棒担いで、あんたそれでも弁護士か」
畠山「ええ、弁護士よ。これからもね。ただ、これからは娘のためだけの弁護士になるつもりよ」
三ヶ島「娘のみより自分の仕事守ろうとしていたあんたが親のこと語んのおかしいんとちゃうか。橘勲に何か吹き込まれたんとちゃうかい」
畠山「吹き込まれた?いいえ?私は彼に親子を教えられたの。どんなに汚い手を使っても、自分がどんなに地に落ちようとも、自分の子を絶対に守る、それが親の道だ」
麦秋「親の道?親の道?うわーーっ!
畠山の方に向かっていこうとする麦秋を、後ろから抱きとめる三ヶ島「どうした、あかん。バク!(畠山に)ちょっと帰ってくれ、はよう!バク!おいバク!」
麦秋「この外道が、親の道を語るな。親だ?子だ?ふざけるな!」
三ヶ島麦秋!」
三ヶ島「あかんあかん、壊れてまう。このままやったらお前が壊れてしまうやろ。今こうなったのも全部、お前の憎しみのせいや。今までかてその憎しみが、人を壊してきたんやぞ。そのままやったら、今度はお前が…」
麦秋「離せ!」
三ヶ島「どないしたらええねん、麦秋麦秋。どうしたらええねん。どうしたらその憎しみ取れんねん。教えてくれよ、バク」
麦秋を抱きしめる三ヶ島。涙を流す麦秋
 
 
 
 
今回、少し気になることがあるのだが、まず、first impressionで、「私の頭では一回では理解できなかった」水田の「俺が仕掛けた罠を利用しておれの遥か上を行きやがった」という点について検証する。
水田は、破門にした沢田の主催していたシャブパーティーに参加している畠山亜美の母親の弁護士、畠山智晶を橘に紹介し、橘麦蒔の離脱を進めさせるように橘組長に話を持っていく一方で、沢田を麦秋に逮捕させることで、沢田たちの口から畠山智晶と関東貴船組の関係をばらすことで、橘麦蒔の仮釈放を阻止しようとした。この動きを逆に利用して、橘勲は沢田たちに絶縁状は回さない約束をする一方、畠山弁護士に対してもアプローチをかけた、麦蒔の養子縁組を実現しようとしたわけだ。

ところで、この養子縁組について、橘勲は、「黒い服の小柄な女」から言われた、というのだが、麦秋は終始、麦蒔の仮釈放を阻止しようとしていたはずで、橘勲の後押しをするような動きをしたのには疑問が残る。麦秋が最後、壊れたのとも整合性が取れない。
それに、そもそも、養子縁組をしても、実の親との親子関係は無くならないのだ。

現在の法制度には、普通養子縁組と、特別養子縁組が存在する。普通養子縁組は、原則として養親が年長者であれば誰でも養子にすることができる。そして、養子は、養親を親とする一方、実親との親子関係も終了するものではない。これに対して、特別養子縁組は、実親との親子関係がなくなる制度である。しかし、この制度は、「父母による養子となる者の監護が著しく困難又は不適当であることその他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があると認めるときに、これを成立させる」(民法第817条の7)もので、6歳未満の子、あるいは、6歳未満から事実上養親となるものに養育されていた8歳未満の子に限られる。
長々と書いたが、特別養子縁組は、現在29歳の橘麦蒔は利用することができないし、現在の民法では、「勘当」といった制度は存在しないのである。

疑問点については、長くなるので別記事を立てる。

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